CSR検定って何?2級、3級の違いから取得のメリットまで

最近、SDGsと並んでCSRという言葉をよく耳にするようになりましたよね。CSRとは、英語のCorporate Social Responsibilityの略語で、日本語に訳すと、企業の社会的責任という意味です。

企業においては、利益を出すだけでなく、顧客や株主、地域の方々といった、
企業の関わる可能性のあるすべての人達に対して、責任を果たしていく必要があるという概念ですね。

今日はそんなCSR関しての検定試験、CSR検定について解説したいと思います。

CSR検定とは

CSR検定は、CSRに関する検定試験です。公式ページによると、以下のように説明されています。

ビジネスや組織運営における社会的責任の国際基準「ISO26000」や持続可能な開発目標「SDGs」などを、多くの企業や組織(自治体や学校、病院、各種非営利団体も含む)に理解してもらえるよう、CSRの意義を広めること。
すべての社会人(学生も含む)がCSRのメリットである「潜在的なリスクの低減」「社会課題起点のビジネス創出」「企業価値や組織価値の向上」を理解し実践することにより、多くの企業や組織に持続可能性や競争力、レジリエンス(回復力)を高めてもらうこと。
これにより地域社会の持続可能性や競争力を高め、さらには、「CSR検定合格者」というCSRのリテラシー・実践に精通した高度人材のネットワークを全国津々浦々に広げることで、健全で生産性や競争力が高い社会の実現に貢献すること。

https://csr-kentei.alterna.co.jp/exam/

要約すると、CSRの意義を広め、それに伴って企業を成長させる、さらにCSRに精通した人材の育成を目指すといったところですね。

CSR検定の概要

続いてCSR検定の概要についてお伝えします。CSR検定は1級~4級まであり、主催は、株式会社オルタナ一般社団法人CSR経営者フォーラムとなっています。

また、CSR検定委員会が選定されており、代表は、株式会社 大久保アソシエイツ代表取締役社長/慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授である、大久保和孝氏が務めています。

主催株式会社オルタナ一般社団法人CSR経営者フォーラム
試験種別1~4級
申し込み方法公式サイトから
公式サイトhttps://csr-kentei.alterna.co.jp/exam/

株式会社オルタナについて

CSR検定については、おそらくこの株式会社オルタナが社団法人を設立し、実施しているのでしょう。株式会社オルタナは、雑誌『オルタナ』を2007年に創刊。サステナビリティについて古くから取り組んでいる会社なのだと思われます。オルタナとは、英語の「alternative」が名前の由来で、売り上げや利益だけではない、環境や社会に配慮した「オルタナティブ(新しい、もう一つ)なビジネスのモノサシ」を探り、世に広げることがミッションとしているそうです。

会社概要

社名株式会社オルタナ
代表取締役社長森 摂
設立2006年9月26日
資本金2909万円
東京本社〒153-0041
東京都目黒区駒場1-26-10 ドミナーレサクマ304

CSR検定取得のメリットは?

では、CSR検定取得にはどういったメリットがあるのでしょうか。CSR検定は、民間資格であり、取得したからといって、何か仕事につけたりということはありません。また、まだまだマイナーな資格であり、一般の方にも認知されておらず、取得しただけで明確なメリットがあるとはいえる状態ではありません。

しかし、CSR検定を取得することで、自然とCSRへの理解は深まります。もし社内でCSRを考えているという場合は、その知識は大いに役立ちます。取得によるメリットはこれ!と明確にはいえない状況ですが、CSRに関心があり、知識を深めたいと思うのであれば、勉強をするにはとても良い資格だといえます。

1級~4級の試験概要

CSR検定の1級~4級の試験概要をまとめました。なお、CSR検定は1級が最難関で4級が最も易しいという形で英検のように数字があがるほど試験が難しくなります。

1級は1次、2次があり、2次を突破することで、晴れて1級の取得となります。また、試験料には特割という制度があり、CSR検定のポスター掲示など、CSR検定の広報活動をすることで、割引が受けられる仕組みがあります。

特割についてはこちらのページでご確認ください。

試験日      試験料試験方式出題範囲受験資格合格点
1級(2次)2023年2月初旬一般:24,200円  
特割:22,000円
オンライン面接すべてのCSR検定テキスト、CSR検定アップデート、これまでのサステナビリティ領域におけるファクトから。一次試験の合格者
正解率80%以上
1級(1次)2022年10月23日(日)一次試験(一般):13,200円  
一次試験(特割):11,000円  
自宅型オンライン
(小論文)
すべてのCSR検定テキスト、CSR検定アップデート、これまでのサステナビリティ領域におけるファクトから。特になし正解率80%以上
2級2022年10月23日(日)一般:9,900円  
特割:8,800円  
学生:6,545円  
特割学生:4,675円
自宅型オンライン
(選択式+記述式)
CSR検定2級公式テキスト(2022年版)特になし正解率80%以上
3級2022年10月23日(日)一般:6,050円  
特割:5,445円  
学生:4,235円  
特割学生:3,630円
自宅型オンライン
(選択式)
CSR検定3級公式テキスト(2022年版)特になし
正解率80%以上
4級毎月1日から15日まで一般:1,650円  
一般特割:1,320円  
学生:990円  
特割学生:770円
オンライン(期間中何度でも受験可能)CSR検定4級公式テキスト(2022年版)特になし
16問以上(正解率80%以上)

CSR検定の難易度は?

CSR検定ですが、難易度はどの程度なのかを調べてみました。なお、級によっては合格率などもなく、ネットなどの情報から難易度を推測してみました。

4級

CSR検定4級は、試験というよりCSRの研修といった形です。試験範囲となるテキストは、24ページ、1時間程度テキストを読み込むことで合格できるレベルのようです。そのため、かなり簡単な試験だといえます。また、受験自体も1日~15日の間毎日行われているため、何度も挑戦すれば問題も頭に入ってくると思われます。

4級の勉強方法・勉強時間

4級は毎月1日~15日の間受けることができ、テキストも24ページと非常に少量です。そのため、普通にテキストを読み込み、試験に何度か挑戦すれば受かるものと思われます。勉強時間ですが、24ページのテキストですから、3時間もあれば頭に入るのではないでしょうか。

3級

CSR検定3級は、CSRに関する基本知識を身に付け、CSR活動によって企業価値を高め、NPOとの協働を行っていくことを目的とした試験となっています。テキストは、112ページと4級と比べて一気に5倍になっており、かなり難しくなっている可能性が考えられます。ただ、ネット上でみると合格率もかなり幅があり、真面目に勉強する必要がありそうです。

3級の受験実績

3級は受験実績が発表されています。これまでの試験の平均合格率は、67.8%%、平均点は、32.9点となっています。

試験名称申込者受験者合格者合格率平均点満点合格者
第1回試験
(2015年3月8日)
538人493人467人94.7%36.2点28人
第2回試験
(2015年10月4日)
337人313人184人58.7%31.5点1人
第3回試験
(2016年2月28日)
513人484人358人73.9%33.6点4人
第4回試験
(2016年10月30日)
476人455人358人78.9%34.1点9人
第5回試験
(2017年4月16日)
498人473人273人57.7%31.5点1人
第6回試験
(2017年10月22日)
490人433人344人79.4%34.5点42人
第7回試験
(2018年4月22日)
414人377人263人69.8%33.2点8人
第8回試験
(2018年10月21日)
604人551人425人77.1%34.1点14人
第9回試験
(2019年4月21日)
660人606人368人60.7%31.7点4人
第10回試験
(2019年10月27日)
1335人1224人905人73.9%33.4点11人
第11回試験
(2020年11月1日)
912人701人357人50.9%30.7点3人
第12回試験
(2021年6月20日)
1110人1013人467人46.1%30.2点2人
第13回試験
(2021年11月21日)
1191人1112人789人71.0%33.0点23人
第14回試験
(2022年4月24日)
753人693人479人71.7%33.2点7人
累計と平均9831人8928人6055人67.8%32.9点157人

3級の勉強方法・勉強時間

3級の勉強方法ですが、テキストの読み込み、および過去問や模試が基本的な勉強方法となるでしょう。勉強時間ですが、テキストが100ページを超えていますので、30時間程度になるかと思われます。

3級の過去問点・模試

3級の過去問、および模試です。

過去問題

第14回 [ 問題 | 正答 ] 
第13回 [ 問題 | 正答 ]                                             第12回 [ 問題 | 正答 ]
第11回 [ 問題 | 正答 ]

模試問題
2021年版 [ 問題 | 正答 ]
2020年版 [ 問題 | 正答 ]

2級

2級は、CSRの国際標準である「ISO26000」の概要と各中核主題を理解することなどが目的になっています。2級も公式テキストが試験範囲です。テキストのページ数が不明ですが、3級の112ページよりも分厚く、内容も難しくなっているものと思われます。

2級の試験実績

2級の平均合格率は59%、平均点は35点となっています。4割は落ちてしまうので、なかなか難易度が高いといえます。

試験名称申込者受験者合格者合格率平均点最高得点
第1回試験
(2016年10月30日)
232人217人121人55.8%34.8点42点
第2回試験
(2017年10月22日)
191人170人121人71.2%35.6点42点
第3回試験
(2018年4月22日)
135人119人71人59.7%35.5点44点
第4回試験
(2019年4月21日)
276人246人140人56.9%35点44点
第5回試験
(2020年11月1日)
392人323人188人58.2%35.5点44点
第6回試験
(2021年6月20日)
448人374人183人48.9%33.5点44点
第7回試験
(2021年11月21日)
304人242人128人52.9%34.7点44点
第8回試験
(2022年4月24日)
2261人1866人1147人61.5%35.4点45点
累計と平均4239人3557人2099人59.0%35.0点

2級の勉強方法・勉強時間

2級の勉強方法ですが、テキストの読み込み、および過去問、模試という正攻法になるかと思います。また、勉強時間ですが、テキストのページ数がわからないので読みずらいところですが、3級と比較し、50時間程度になるかと思われます。

2級の過去問・模試

過去問題
第8回 [ 問題 | 正答 ]第7回 [ 問題 | 正答 ]
第6回 [ 問題 | 正答 ]
第5回 [ 問題 | 正答 ]

模試問題
2021年版 [ 問題 | 正答 ]
2020年版 [ 問題 | 正答 ]

1級

1級は、サステナビリティ経営の真髄を学べる試験となっており、自ら社会課題の解決を起点にしたビジネス創出などができるレベルの試験となっています。また、1級は小論文の1次試験、オンライン面接の2次試験の2本立てとなっています。試験範囲はこれまですべての範囲となっており、テキストなどは販売されていません。本当の意味で、CSR経営を一から組み立てられるような知識が必要となりそうですね。

1級の受験実績

1級の受験実績ですが、平均合格率は30%、これまでの合格者は35人という狭き門となっています。かなりの難関試験といえるでしょう。

試験名称申込者受験者合格者合格率平均点最高得点
第1回一次試験
(2019年10月27日)
79人73人23人31.5%29.9点35点
第1回二次試験
(2020年2月9日)
20人20人13人65.0%32.9点39点
第1回1級試験79人73人13人17.8%
第2回一次試験
(2021年11月21日)
43人42人22人52.4%31.3点37点
第2回二次試験
(2022年3月19,20日)
26人26人22人84.6%33.2点38点
第2回1級試験43人42人22人52.4%
一次試験 累計と平均122人115人45人39.1%30.6点
二次試験 累計と平均46人46人35人76.1%33.1点
1級試験 累計と平均122人115人35人30.4%

1級の勉強方法・勉強時間

1級はこれまでの全ての箇所が出題範囲になっています。またホームページに記載されている、サステナビリティ経営についての基本軸を見ておくよう公式ホームページに書かれています。そのため、これまでのテキストと過去問、サステナビリティ経営についての基本軸についての深い理解をすることが勉強方法になりそうです。勉強時間については、未知数ですが200時間は必要なのではないかと推測されます。

1級の過去問・模試

過去問題
第1回一次試験 [ 問題 ]
第1回二次試験 [ 問題 ]
第2回一次試験 [ 問題 ]

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